ある日の出来事〜妻との忘れられない出会い〜
当時26歳の私。
いつも通り出勤し、いつも通り出先で仕事をこなす。
ただ、その日は何気なくいつもは使わない電車を使った後、駅のホームを歩き、改札口付近に差し掛かった時、目の前にカード状の物が落ちていることに気がつく。
交通系電子マネーカードの定期券だった。
善意から付近の案内所まで届けにいくと、そこに若い1人の女性が焦燥した様子で駅員と話している様子。
「もしかしてコレですか?改札口近くに落ちていました。」私が尋ねると、女性は一瞬驚いた後、安堵した表情を見せる。
「これです!間違いありません!」と女性。
「良かったですね〜。」と駅員さんも安堵した様子。
「もし宜しければ御礼したいのでご連絡先だけでも…」と女性が私に声をかける。
善意には応えたい気持ちもある反面、私も一応、仕事中の身であることから、名刺の裏に携帯番号を記載し渡す。
それから数ヶ月後、私の携帯に見知らぬ番号から着信。
「(私)さんでしょうか?少し前に定期を届けて頂いた〇〇といいます」 完全に忘れていた私。
数十秒後、数ヶ月前の出来事を思い出す。
「その節は本当にありがとうございました。ご連絡が遅くなってすみません。もし宜しければお礼がしたいので…」と女性。
「いやいや、たまたまですからお気を遣わないで下さい」と私。
押し問答が続き、食事に行くことに。
改めて会ったとき、直感的に「私、この女性と結婚するのかも…」と思ったことを彼女に打ち明け、彼女もまた同じことを思っていたことを知ったのは初めて会った日から約半年後にプロポーズした時のこと。