潮に流され危機一髪、死を意識した瞬間

海

海に来るといつも脳裏に刻ませている記憶が蘇ります。

それは自身が小学校の3年せいか4年生の時の話です。

家族でどこの海かは忘れましたが、海水浴にきていました。

私には3つ上の兄がいました。

その時は子供二人がちょうど乗れるボートのようなものを持ってきていました。

空気入れで必死に結構な時間をかけてふくらませました。

出来上がった小船に興奮し、さっそく兄と乗り、海へと入りました。

親からは浅瀬で遊びなさいと言われました。

その注意の通り、最初兄は自分だけを小船にのせて浅瀬で引っ張り遊んでいました。

しばらくすると兄もボートに乗ってオールで漕いで遊ぶようになりました。

そのうち引き潮で徐々に奥の方へきていることに気づきました。

沖には小さく見える父と母が見えています。

兄はボートを降り、足がつくか試していましたが、つかなくなっていることに気づき心配した様子でした。

帰るためオールで必死に漕ぎましたが、一向に沖へ近づいている感じはしません。

気づくとだいぶ横に流され、そして岩場にボートがあたり、空気が漏れ始めました。自分は穴を手でふさぎ、兄は必死に漕いでいます。

この時、小さいながらに死を意識したことを今でも鮮明に覚えています。

その後、なんとか沖にたどり着き、事なきを得ましたが、海の恐ろしさを知った時期でした。