神様がくれたご褒美、稜線が真っ赤に輝いた瞬間
私は40代になる前、煙草を止めて太ったことがきっかけでシーカヤックにはまり、各地のレースに出場していました。
しかし体力面でなかなか成績が上がらないことをきっかけに走ることを始めると結構病みつきになり、10キロ走、ハーフマラソン、フルマラソンと距離を伸ばしていくようになりました。
また伴走もやり始め、10キロ走やハーフマラソン、105キロウォークなどもやりました。
そしていつの間にか登山が趣味になり、50歳になった時に仕事を一旦辞めて、山登りにどっぷりとはまり始めました。
そして九州の祖母山・傾山縦走にチャレンジすることにしました。
1日目は移動して道の駅で車中泊、2日目の朝早くから傾山登山口から祖母山登山口まで4時間かけて移動、それからは祖母山までつらいつらい登りを行きました。
そして頂上を制覇後にテント泊。
その日は雪が降りテントは凍結し、結局1時間くらいしか眠ることができませんでした。
すぐに帰りたいと思ったのですが、戻るのにも行くにも10時間以上かかります。
仕方なく8時間かけて傾山手前に到着。
その日もテント泊でしたが、気温は5度ほどで快適に眠ることができました。
そして明け方4時ころに傾山頂上へ向かって出発。
もう少しで頂上という所で朝日が昇り始めました。
そしてその時、今まで歩いてきた祖母山から傾山までの稜線が赤く輝き始めたのです。
空はまだ暗いのですが、その赤はどんどん鮮やかになり、あまりにも美しすぎて前に進むのを忘れてしまうくらいでした。
この3日間、つらい思いをしてきたのにこの風景を見ただけでいろんなものがすっ飛んでしまいました。
これこそ神様が私にくれたご褒美だと思います。
その後は感動の余韻を残し、日本庭園のような傾山に無事到着。
一生忘れられない思い出です。