湯舟の糸昆布

お風呂

私には、1週間に一度はやらずにいられないことがある。

毎日はできないのだ。 いや、できないことはないが、やってしまうと喜びが、快感が小出しになってしまって面白くないのだ。

それは、湯舟に入って全身をリラックスさせてからおもむろに始める。

見下ろせば、お湯にたゆたう股間の糸昆布にような漆黒の茂み。

片手を伸ばして、やさしく、時に強引に引っ張れば、一週間の間に毛根が弱ったもの、もはや抜け落ちる寸前だったもの、抜けていたのにまわりの縮れ毛にひっかっていたものが、ごっそりと指の間にからまってくる。

それを一本一本これは結構長い、この縮れ具合は素敵だ、などと確かめながら、毛根をそろえて花束状にする。

長さはまちまち、縮れもまちまち。

特にその縮れ具合は、頭髪とは比べ物にならないほど様々で、いったいどこに向かって伸びていこうとしているのか。

しかもそのようにぐにぐにと縮れているものは、指先で触るとそれ自身が太くなったり細くなったりしていて、その形質が縮れを生み出してるのがわかり、造形の妙に感じ入ってしまうのだ。

だから、そのようなものが取れた時は、ついついいつまでも触ってしまうし、まっすぐなのばかりのときは、強い力で抜いてしまうのだ。

何の得にもならない、でも人には言えない。

このくだらなさが、たまらない。