母の若い頃の体験談を聞いてきて良かったと思った話
これは私が社会人2年目を迎えた頃の話です。
ある日、仕事が終わって自宅でのんびりしていると、スマホの呼び出し音が。
大学時代の友人の名前が表示されていたので、突然の電話に喜びと驚きの気持ちで出たのを覚えています。
友人からこちらの近況を聞かれたので答えましたが、逆にこちらが近況を聞いても教えてくれず。
「とにかく良いことがあったから直接聞いてほしい。とりあえず近々会おう!」と。
今思うとこの時から妙でしたが、社会人になり学生時代の友人と会う機会も減って寂しかったため、すぐに会う約束をしました。
そして迎えた当日。
友人指定のカフェで待ち合わせ、再会を喜びました。
電話の時と同じく友人は自分の近況に全然触れなかったので、もったいぶらず、そろそろ教えてくれてもいいのでは?と伝えました。
「そしたら教えてあげるね!お願いします!」と手を上げる友人。
すると同じカフェの奥からスーツを着た女性が私達の目の前に来ました。
そして当然のように私達の席に着き、始まる『幸せとは何か』という話。
それを満足そうに頷く友人。
ネットビジネスの勧誘の話でした。
副業を始めて生活が潤ったので、ぜひ会員になってほしいという話でした。
カモにされたという苛立ちでげんなりしていた私が思い出したのは、母の体験談。
母が若い頃、久しぶりの友人から連絡があり会ってみると、その友人の家に招待され家族総出で宗教の勧誘をされたそうです。
必死で理由をつけて帰ったと言っていました。
そのため、断るために話すのではなく一刻も早く逃げなくては!と本能で思いました。
なので荷物を持ってトイレへ行き、そのままカフェのお代だけ友人に渡して逃げ帰りました。
あのまま話を聞いていると、断るのが苦手な私は入会していたと思います。
そして激しく後悔していたはずです。
母の体験談のおかげで、逃げ帰ることができました。