夏の海に泳ぎに行かなくなった出来事

海で泳ぐ

数十年前、運動部に属していた私は夏の関東大会の名目で茨城県に宿をとり試合に臨みました。

トーナメント方式ですぐにチームは敗れてしまい、持て余す時間を大洗の海に費やすことになります。

海に行く予定ではなかった為、ビーチボールも浮き輪もアイテムは一切もちあわせていなく、泳ぐことがメインでした。

私は泳ぎは得意ではなかったのですが、沖に浮かぶオレンジ色の浮きを目指して泳ぎ始めました。

おそらく遊泳範囲を示すものであったと思います。

途中まで問題なく泳いで行けたのですが、後7.8メートルのところで力尽きてしまい溺れかけました。

もがいても前に進まず慌てふためいて海水を飲んでしまい、当然周りには誰もいなくこれで死ぬかもしれないと思いました。

そう思えたら本能の底力が出たのか、もがきながらもブイ(オレンジ色の浮き)にたどり着けたのです。

泳いで帰る気力と体力をなくしていたのでブイを横に伝わりながら岩場にたどり着き、何事もなかったように皆がいる浜辺に帰ってきました。

仲間には気づかれることなく宿に戻ります。

あの日から数十年海に泳ぎに行ったことは無いです。