幼い頃の、楽しくなくなってしまった思い出
40年以上前です。
親に連れられ、おそらくは富津へ潮干狩りに行きました。
玩具のような虫かごと熊手で浜辺を掻いて、貝を一生懸命に探していました。
子供であるので遠くに行くことを禁じられ、素直であったため、場所を移動するということは想像すらせず、ひたすらに深く深く掘っていきました。
意外と深く掘るといるものでして、それなりの大きさの物を獲った記憶があります。
幼稚園児時代でしたので大量に獲れるわけもなく、ですがたくさん獲ってやろうと幼心に躍起になっていたのでしょう。
気が付くとお尻が海水で濡れていました。
びっちょり濡れて、下着がべったり張り付いて、冷たくて妙に気持ち悪く感じました。
幼い子の潮干狩りだから親はその辺は対策済みで、着替えは用意してあります。
ですがそれは潮干狩りが終わった後に着替えるもの。
それこそ素直であったため、「着替えよう」と親から言われるまで着替えるという事さえ頭にありません。
どうにか海にお尻を付けないようへっぴり腰になって、それでも貝を獲ろうと頑張りました。
ですが幼稚園児のへっぴり腰、上手く獲れる体勢とは言えません。
濡れることを嫌った結果、そこから先の貝獲得数は芳しくありませんでした。
貝を獲る楽しさよりお尻が濡れてしまったことが存外ショックで、帰り際にはいまいち楽しくないイベントになってしまいました。