「ごちそうさま、おいしかった」に気付かされたこと
早期退職し、仕事を続ける妻に代って家事をするようになりました。
初めての料理に毎日悪戦苦闘しながらも何とかやっています。
やっと少し慣れてきた頃、少し欲が出てきました。
今までなら「自分のできそうなもの」を優先にレシピを探すのがほとんどでした。
しかし慣れが出てきて「何とかなる」という気持ちも起こりました。
そこで目に付いたのが「ごぼうとサツマイモの甘辛炒め」でした。
「デパ地下のデリ風・・・」というタイトルに惹かれ、「一度やってみよう」と考えました。
何か作って夕食に出すと妻はいつも「凄ーい」「これ作ったの」と言ってくれていました。
そんな言葉が嬉しく、家にいる自分の少しは役に立てているという気持ちになれていました。
だからこそ今回もびっくりするようなものを作って「すごーい」を聞こうと思っていました。
しかし料理は見事に失敗。ゴボウもサツマイモもどうも固く、噛めば「コリッ」という漢字がします。
下ゆでがいい加減だったようです。
思わず「残していいよ。無理して食べなくていいよ。」私が食べるから」とばかり言いながらの夕食となりました。
それでも妻は最後には「おいしかった。ごちそうさま」と言って笑ってくれました。
この言葉、今まで自分で言ったこともあったけれど、こんなに嬉しい言葉なのだとは分かっていませんでした。
言われたことでホッとして、嬉しくなって、今度はがんばろうという気持ちになりました。
時々は妻が料理を代わってくれることもあります。
食べた後には、自分もちゃんと「ごちそうさま。おいしかった」が言えるようになりたいと感じました。