いつもはつれないのに落ち込んでいる時に慰めてくれた黒猫
私が22歳の就職したての頃です。
初めて社会に出た事や慣れない仕事、人間関係に行き詰まり毎日酷く落ち込んでいました。
そんな私が癒しにしているのが近所の野良猫です。
少し気難しい黒猫で呼んでもこちらに来ませんし、撫でようとするとそそくさと逃げてしまいます。
つれない所が可愛くて姿を見るだけでも心がホッとしました。
ある日私は取り返しのつかないミスをしでかしました。
上司や同僚に多大な迷惑をかけてしまい自分の無能さに打ちのめされました。
余りに自分が情けなくその日は人目も憚らず泣きながら帰路に就きました。
道すがらあの黒猫を見つけました。
いつもなら自然と頬が緩むのですがこの日ばかりは泣き顔以外出来ません。
暫く私を見つめた黒猫はトコトコと近くに寄って来ます。
そして驚く事に私の足に全身をスリスリして来るのです。
しかも「にゃーにゃー」と聞いた事もない猫なで声を発しています。
必死に慰めてくれているのだと分かりました。
思わぬ優しさに余計涙が溢れて来ます。
体も撫でさせてくれてふわふわの温かさを堪能しました。
暫くすると元気がチャージされたのが「いつまでも落ち込んでいられない」と今後どうすべきか考えを巡らせる事が出来ました。
ここまで回復出来たのは黒猫の優しさでありそれがとても心に沁みた出来事でした。