子どもでも頭の中をよぎる海での走馬灯について

夏の海での走馬灯

これは僕がまだ小学生の時の話です。

当時親同士が仲がよく家族ぐるみで付き合っているグループで、夏休みに泊まりで海にいきました。

1日目は、大人も子どもも一緒に日中海での海水浴を楽しみ、夜は花火や民宿で枕投げなどをして楽しい時間を過ごしました。

2日目、朝早く子どもたちですぐ海に行きたいという話しになり、高学年のリーダー格の子を筆頭に親たちにそのことについて相談をしました。

親からは必ず常に全員で行動することを条件に、了承がでました。

たしか5人ぐらいで民宿を出て子どもたちだけで海に向かったと思います。

海に着くと朝早くから人の少ない海で遊べるという高揚感と、大人たちがいないという開放感で僕たちのテンションは異様に高くなりました。

そこで高学年のリーダー格の子から海の深いところまで行けるところまで行こうという話しが出て、みんなで手を繋ぎ海を進んでいきました。

自分は子どもたちの中で身長は真ん中ぐらいでしたが、足がつかなくなるぐらいの所で気づいたらみんな手を離し泳いでいる状態になっていました。

ちょっと自分も怖くなって岸に戻ろうと足掻いたのですが、どんどん沖へ流されていく感じがあり、周りをみても大体みんな半分溺れけているような感じになっていました。

いよいよ自分も溺れはじめて、苦しくなり、ここまでかと思った時、短い人生ながらも今まで経験してきた印象的な出来事が頭の中で走馬灯のように流れていく感覚を感じました。

半分意識を失いかけた時、気付いたら大人の男性の方たちに抱きかかえられて岸まで連れていかれました。

どうやら高学年のリーダー格の子だけがなんとか自力で岸まで泳いで行って大人に助けを求めてくれたみたいでした。

大人になった今、人生で走馬灯を見たのは今の所その一回きりです。