大人になっても忘れられない「クラゲ」事件

これは私が5歳か6歳だったころの夏の海の思い出です。
私の家族は、毎年夏に千葉の海へ旅行に出かけるのが恒例のイベントとなっていました。
私は水泳教室にも通っていたし泳ぐのは大好きな子供だったので、毎年海へ出かけるのを楽しみにしていました。
普段は内陸部に暮らしていて、海を見られるのは年に一度、この旅行のときだけだったので、広くて大きな海に心が弾んだのを覚えています。
しかし、この年の旅行は、大人になった今でも忘れられない嫌な思い出ができてしまいました。
海水浴をしている最中、私の首にクラゲが巻き付いたのです。
まだ幼かった私は、何が起きたのかわかりませんでしたが、次第にジンジンと熱を帯びて痛みが増していく感覚に、パニック状態になりました。
近くにいた父が浜辺のライフセーバーの男性を呼んでくれて、私は応急処置を受けました。
クラゲに刺された際の応急処置が、お酢をかけることだったのに驚きました。お酢をかけると腫れや痛みがひくのだと、ライフセーバーの方が言っていました。
海から帰ってもしばらく、首にお酢を塗る生活が続きました。
今でもあの、クラゲに刺された時のジンジンと熱く痛痒い感覚や、お酢を塗った臭さが忘れられません。
ショッキングな事件でしたが、その後も私は海を嫌いになることはなく、しばしば家族と旅行に行っています。