弟から姉へのさりげない優しさに感動
かれこれ、7年位前の事です。
娘が学校の体育祭で応援団になり、衣装として学ランを用意しなくてはならなくなりました。
娘の学校の男子生徒の制服は、学ランではなくブレザー。
ましてや、制服を借りれるような繋がりが娘にはなく、 友達の繋がりから借りようとしていたのですが、サイズが合わず・・・。
さて、どうしたものかと頭を抱えておりました。
借りることができないのなら、買うしかないか・・と、ネットで中古品などを探していたら、コスプレ用の学ランを発見! 価格は、5000円。
その頃の我が家は、主人の借金もあり経済状況はあまり良くなく、一回しか使わないものに出す金額としては、 勇気のいるものでした。
コスプレ用の学ランをネットで見て何日か悩んでいると、 ある日、中学生だった息子がそっと5000円札を私の前に置くのです。
『ん?何、これ?』と、私が聞くと、 『○○ちゃんの学ラン、これで買ってあげて。』と言うのです。
とっさに出た言葉が、『金額が問題なんじゃないんだよ!借りれるならその方がいいから。』と伝えると、 息子が、『もし借りれたら、それ使えばいいよ。でももしもなかった時に○○ちゃん、かわいそうじゃん。』 いつもなら、生意気な態度で娘と喧嘩しているのに、姉の体育祭という思い出の為に自分のお小遣いをためらいもなくスッと出してくるその気持ちが、ものすごく嬉しくて、泣きそうになりました。
娘が学校から帰ってきて、そのことを伝えると、やはり嬉しくて涙を流し、私と娘とで泣きました。
普段喧嘩ばかりの2人が、いざというときに助け合っていることに、親としてとても感動したのを覚えています。