奇跡が自分に降りかかった
今から約3年前、勤務していた整形外科クリニックで突然、次から次へと解雇を迫る看護師長がいました。
私に順番が周ってくるまでに、辞めた人が常勤で3人。
非常勤は全ての人が突然辞めました。
どれも不自然な辞め方で、中には辞めることが決まる前に求人を出されたりして、「おかしいな?」と感じていました。
すると、ある日、急に私に対して風当たりが強くなります。
看護師長だったのですが、無理なことを言い出し、突っかかってきたりするようになります。
意地悪な本性を表した訳ですが、なかなか私が辞意を示さないことに苛立ったのか、クリニック本部の管理部の人間が事情聴取にやってきました。
後に分かったことですが、看護師長の彼氏でした。
管理部なんて名ばかりで、ガタイのいい暴力団を気取った辞めさせ屋でした。
この男は、どんな手を使ってでも辞めさせてやるのが仕事で、暴力を匂わすこともありました。
今まで辞めた全ての常勤者が、この男に追い込まれたのだと知りました。
私も追い詰められる中、求人を出され、「いついつまでに辞めろ」と退職強要をされました。
みな、自己都合退職に追い込まれたのだ。
あの看護師長は、こんなことをして喜ぶ最低な女だと怒りがこみ上げますが、何としてでも次の転職を決めてから去ってやると辛い日々を過ごしました。
もう無理かなと思う時もありました。
そんな時、登録していた派遣会社から連絡が入ります。
「ものすごい急いている職場で、既に2人が応募して面接が決まっていますが、あなたの住まいから近い職場なのでいかがですか?」と。
強引に休みを取り、面接日を設定。
ここがダメなら、しばらくフリーだなと腹をくくりました。
面接前日には、住まいの近くの床屋に行き、顔剃りをしました。
印象アップのため、やれることをやろうと思ったのです。
そして面接当日。
病院事務長との面接でした。
職歴の多い私に懸念の表情でしたが、何とか話を素直にしたら、「明日の朝、ここに電話すればいいの?」と言われました。
私は「あれ?もう僕に決まってるの?」と拍子抜けしましたが、合否の連絡かも知れないと思い直しました。
面接終わり、派遣会社の担当には「手ごたえは分かりません」とやるだけやったので、いいじゃないかと自分を楽な状態にしました。
そして次の日。
朝の9時前に派遣会社からメールが来て、電話も来ました。
「おめでとうございます!」の一言に「やったー!」とガッツポーズ。
すぐに意地悪師長に「次決まったんで辞めます」と伝えると、「ちぇ」と言われ、明日最後でいいとのこと。
自分の力ではどうにもならない、人の見方、気に入られるのか?全てが運というシチュエーションで見事勝ち切ったことが、私の最も幸せな出来事です。
今現在、そしてリタイアするまで今の職場で勤務しようと日々生きています。